錯視 - 2月27日(金)

既にかなり有名なようですが、「錯視」デザインというものを初めて知りました。
実に面白いと思います。

6面スクリーンの空間に投影してクラクラするような体験もしてみたいですが、静的なサインに利用してみるといった用途もありそうな気がします。
たとえば、右方向へ誘導したい場合に、右へ動くように見える錯視図形を利用する、といったイメージです。

もっとも、錯視と視認性を両立させることはかなり難しそうですが・・・【と】

自動車メーターとLCD - 2月25日(水)

自動車のナビ搭載が当たり前になって久しいところですが、メーターの中にLCDが組み込まれるケースもよく見かけるようになってきました。

中でも極めつけは、全面LCDを採用したクラウン ハイブリッドでしょう。

こういったものを導入したことはさすがだと思いますが、プレミアムカーであるクラウンの車格と、このLCDメーターの表現・モーションの質感がマッチしているとはいいがたいところもあり、まだまだ成熟が必要な気もします。

LCDだけでメーター表示を行う例としては、プラグインハイブリッド車であるフィスカー・カルマのように、円形LCD(か、開口部だけが円形なだけかわかりませんが)で表示を行うという方法もありえます。

全面LCDでは、面が平板という欠点があります。また、グラフィックで立体表現を行うと、周囲の造形との対比でかえってチープな印象を与えてしまうこともありますが、このような方法はひとつの解でしょう。

一方では、時計メーカーとコラボレーションして、メカニカルな質感を高めたKO7のようなアプローチもあります。
やはり多くのクルマの場合は、こちらの方がしっくりくるかもしれませんね。【と】

デザインと知財権をバインドする(3) - 2月24日(火)

先日の日経に「世界共通特許へ」という記事が掲載されていました。
「~へ」という表現でもわかる通り、特許制度は各国ごとのもので、「世界特許」とか「国際特許」とかいったものは存在しません。
世界特許取得」「国際特許取得」といったキャッチフレーズには気をつけましょう。
※ちなみに国際出願という制度はありますが、これは出願方式を統一するだけの制度です

さて、先週意匠権取得までの流れについて触れましたが、自力で意匠登録出願をしてみよう、という場合の具体的な方法を簡単にご紹介してみます。

出願前にまずやることは、登録意匠の調査です。
既に登録されている意匠と同一or類似の意匠は、登録を拒絶されるため、費用が無駄になってしまうからです。
このような調査を行ってくれる専門業者も多数ありますが、ここでは自力で調査する簡単な方法をご紹介します。

まず、特許電子図書館の中の意匠公報テキスト検索を使用してみます。
「検索項目選択」ドロップダウンから「意匠に係る物品」か「意匠に係る物品の説明」を選択し、適当なキーワードを入れて「検索」をクリックします。自動車のホイールをデザインしているなら「自動車」「ホイール」といった具合です。

IPDL キーワードにヒットする意匠登録があれば、データがズラズラっと出てきますので、出願しようとする意匠と近そうなものをチェックしていきます。
尚、このサイトはあまり使い勝手がよくないため、目ぼしいものがあったら、プリントアウトしてしまった方がいいでしょう。
特に、左側のウインドウに表示される「願書」の部分は、あとでテンプレートとしても使えます。

次に、出願書類を用意します。意匠登録出願に必要なのは、
1.願書
2.図面
の2つだけです。
願書は記載例に沿って記入するだけですし、図面もドローイングなどのツールで描くだけですから、デザイン実務に携わっている方ならば、大抵自力で書けてしまいます。

願書は、特許庁の外郭団体から、フォーマットがダウンロードできます。
意匠登録出願用願書&図面フォーマット(PDF|Word

この続きはまた次回に。【と】

デジタルサイネージEXPO 2009 - 2月23日(月)

デジタルサイネージ先進地である米国ラスベガスで、明日からデジタルサイネージEXPO 2009が開催されます。といっても、弊社から見学者が行くわけでもないのですが・・・。
昨年も様々な新技術・新サービスが発表されましたが、今年も面白い技術が出てくると思われますので、明日以降の情報を待ちたいと思います。

今年は国内でもデジタルサイネージジャパン 2009の開催が予定されています。幕張メッセでの開催で、ある程度の規模になりそうですので、こちらも期待大です。【と】

釜川遡上の旅(南釜川編) - 2月21日(土)

弊社は釜川の最下流に近い位置にあります。
南東に少し進むと、JR宇都宮駅前を流れる一級河川 田川に合流し、鬼怒川、利根川を経て太平洋へ、一部は江戸川を経て東京湾へと注ぎます。

一方の上流は、市内中心部の裏通りを縫って、北部の沼につながります。
ということで、釜川を遡上してみることにします。

中心部の釜川は、大通りを挟んで「南釜川」と「北釜川」に分かれます。
いうまでもなく、弊社は南に属します。
※尚「南釜川」「北釜川」とは筆者が勝手に呼んでいるだけで、一般的な呼称ではありません

御橋 弊社を出て少し歩くと、小さな赤い橋が見えてきます。
一見、日光神橋のパチもの的なチープさもありますが、実は御橋という由緒ある橋です。

二荒山神社 御橋から北に目を向けると、宇都宮のドゥオーモこと、二荒山神社の鳥居を望むことができます。
そう、ここはまさに、宇都宮のチェントロなのです。

フィナー新宿付近 御橋を過ぎ、「3分間パリ~ルーべ」ともいわれる石畳を「宇都宮のガッレリーア」オリオン通りと並行して進むと、左側の遊歩道は一旦行き止まり。

大谷石の橋 大谷石でできた橋を渡り、右側の遊歩道を進みます。

ポールスミス付近 オリオン通りと交差すると、南釜川も終点に近づきます。

大通り 駅前大通りで一旦分断されますが、川は大通りの下をくぐって、北釜川エリアに抜けていきます(正確には北から南に流れてくるのですが)。 【と】

画面と筐体の複合 - 2月20日(金)

弊社の扱う分野では、画面と筐体とを組み合わせるものが多くを占めます。

パソコンのモニターやテレビのように、あらゆる形・色などが表示されうるものは、画面デザインと筐体デザインとを、別個独立のものとして考えざるを得ないでしょう。
画面が表示されているときには、画面デザインが主体であるのに対して、画面が表示されていないときには、筐体の造形がデザインの全てとなり、表示/非表示で認識されるデザインの中心が全く異なるからです。

一方、常時画面表示が基本となる機器では、画面デザインも一定の系統の中での変動であるため、デザイン全体の中の一構成要素として存在しています。ですから筆者は、画面デザインと筐体デザインとに連続性・一体性のあることが望ましいと考えています。
具体例としては、鉄道や自動車向けの電子表示・電子標識類、ATMや券売機、携帯電話など、いわゆる組込系の機器が挙げられます。

上で述べた通り、弊社は後者の系統を扱うことが多いのですが、画面と筐体との関連性は常に難しいテーマであり、それだけにやりがいもあるテーマです。

画面は発光体であり、筐体はソリッドなモノであるという点で、両者は対立的な関係にあります。
単に色調やモチーフに関連性を持たせても、暗い場所などでは違和感がハッキリと現れてしまいます。特に、白に近いほどその違いが決定的になります。
一方、黒基調など明度の低い画面構成である場合、発光体としての特性は抑えられますから、黒系の筐体とは違和感の少ない一体的な造形が可能になります。

LCD(液晶ディスプレイ)などの画面は、4:3や16:9の矩形という規格化がなされていますが、これも大きな影響を与えます。
開口部を変形させれば変化を与えることができますが、特殊加工にかかるコストの問題や、エネルギー効率の問題、関係者のメンタルブロックが大きな障害となります (フルハイビジョンの画面の20%を覆ってしまうような筐体を作ると言ったら、誰でも「もったいない」と思うことでしょう)。

それだけに、だからこそ、この「異物」同士の組み合わせは、まだまだ多くの可能性を秘めている気がします。【と】

三角形の鉛筆 - 2月19日(木)

先日とある呑みの席で、デザイン界の大御所が7Bの鉛筆をサラサラと走らせているのに感銘を受け、早速ステッドラーの7Bを買いに行きました(笑)。
エルゴソフトジャンボ そこで一緒に買ってきたのが、同じステッドラーのエルゴソフトジャンボという色鉛筆でした。

断面が三角形のこの鉛筆、転がらないという利点があるのはもちろんですが、絶妙な曲面処理と表面素材によって、親指・人差し指・中指が各面にピタリと吸い付き、自然と正しい鉛筆の持ち方ができているという優れモノ。
指にフィットするので、ダイレクト感のある書き味が楽しめます。

一見プリミティブなようでありながら、画期的な造形と機能性。デザインワークの理想形ですね。
ちなみに、7Bの方は買っただけで満足してしまいました。大御所への道はまだ遠いようです(苦笑)。【と】

デザインと知財権をバインドする(2) - 2月17日(火)

今週は、意匠権を例にとって、デザイン権利化の流れについて見ていこうと思います。

意匠権取得の流れは、おおよそ次の通りです特許庁によるフローチャートはこちら
1.デザイン完成=意匠登録を受ける権利が発生(この権利は創作者に帰属)
 ↓
2.意匠登録出願書面を作成する
 ↓
3.出願料(特許印紙など)を支払って特許庁へ出願
 ↓
4.特許庁から反応(査定・拒絶理由通知など)
 ↓
5.登録査定なら6へ、そうでなければ必要な措置(意見書・補正書など)
 ↓
6.登録料を支払って設定登録、権利発生
現在は、3~6までで数ヶ月程度です。

それでは、コストはどのくらいかかるのでしょうか。
以下のデータは、今日現在必要なコストです。

出願料:16,000円
登録料:8,500円/年(3年目まで。4年目以降は段階的に登録料が上がります。)

自分で出願を行えば、1年目の費用は24,500円です。
弁理士に出願を依頼する場合、平均で17万円程度の費用がかかるようです。
拒絶に対する措置(意見書・補正書の提出、拒絶査定不服審判請求)が必要な場合、更に45万円程度の費用がかかる場合もありそうです。
2003年弁理士会調べ

ちなみに、出願は弁理士でなければできないというわけではありません(報酬を得て出願代理を行うことができるのは弁理士に限られています)
意匠の場合は簡単な書面と図面だけですから、自分での出願も充分可能であり、検討の余地があると思います。
この解説書などはわかりやすく、おすすめです。

24,500円は安いとはいえないかもしれませんが、co.jpドメイン取得だけでも1万円前後かかることを考えれば、決して高いとはいえないでしょう。
それに、デザインにバインドして売却する、ライセンス契約する、帳簿に資産として計上する、といった具合に、デザインの活用法が広がるのです。

長くなりましたので、次回に続きます。【と】

デジタルサイネージ市場 - 2月16日(月)

2008年のデジタルサイネージ関連市場は推定560億円との調査が出ています。
2015年までには1兆円市場、ソフトウェア関連だけで6,000億円程度になる可能性があると見られているようです。

顧客層やメディアが全く違うので、一概に比較はできませんが、ドコモの携帯公式サイトだけで年間2,000億強の売上があるそうですから、ソフトウェア関連だけで携帯公式コンテンツに肩を並べる程度の規模になるということですね。
感覚的にはピンと来ない部分もありますが、新しい技術・コンテンツが次々と出てきていることは確かですので、成長の見込まれる分野であるのは間違いないでしょう。【と】

ひるの小川 - 2月14日(土)

気候的には完全に「はる」の小川でもありましたが、「ひる」の小川@釜川です。

釜川

アパレルのセレクトショップ、小物・雑貨ショップ、個性的なカフェ(というより喫茶店)が川沿いと路地にポツポツと並んでいます。【と】

Yanagi Design - 2月13日(金)

柳宗理といえば、キッチンウェアや家具などで有名な工業デザイナーですが、クルマなどの輸送機器や、果ては高速道路の構造物などといった大モノまで幅広く扱っています。
まるでレイモンド・ローウィのような幅広さです。
昨年出版された「Yanagi Design」は、それらのプロダクトや、柳宗理の考え方、事務所の手法などに触れられていて、大変興味深い本でした。

CADなどデジタルツール主体でのデザインは、それらが扱いやすい線・面ばかりで構成されがちになる傾向がありますが、柳工業デザイン研究会では、スケッチ段階から立体で検討しているそうで、この辺が感覚的にフィットするデザインを創り出す秘密のような気がします。
とりあえず、粘土だけは買ってきました(笑)。【と】

ロンドンの新幹線 - 2月12日(木)

台湾や中国でも活躍する日本の新幹線車両ですが、イギリスにも導入されるそうです。
新幹線ベースとはいえ、デザインは欧州風にアレンジされている印象を受けます。

列車にしろクルマにしろ、明確な「顔」を持っているケースが大半を占めます。
人と一体になって動くものゆえ、馬など動物のイメージを重ねるからではないかと思います。
時々登場してくるのっぺらぼう車両や、複眼的な「眼」を持つ車両に何となく親しみを感じないのは、そんな理由もあるのでしょう。

地域によって、好まれる顔のデザインにも差があるように感じます。
国際交流がかなり進んでいるカーデザインの分野では、地域の個性を反映した顔は見当たらなくなりましたが、少し前までは「日本人にはちょっと・・・」というような顔もありました(こんなものとかこんなものとか)。

この点、鉄道車両にはまだまだ地域の趣味趣向が色濃く残っている気がします。
鳥をモチーフとするなど、精悍な顔つきが好まれる日本の新幹線デザインに対し、爬虫類系のエウロスター・イタリアや芋虫(笑)的なユーロスターのデザインは、日本では採用されにくいだろうと思います。

そこに行かなければ乗れない、という鉄道の魅力を楽しむためにも、こういった地域差は残っていって欲しいものです。【と】

デザインと知財権をバインドする(1) - 2月10日(火)

先週、意匠権について触れましたが、今回からデザインに関する知的財産権の活用方法について考えていきたいと思います。

デザインに関わる知的財産権として、著作権・意匠権・特許権・実用新案権・商標権などがあることはご存知の方も多いと思います。
著作権は、裁判所に判断してもらわないとハッキリしない「無方式主義」で、一般のクリエーターがその存在/不存在を断言するのは難しいといえます。
また、著作権は「支分権の束」といわれるように、著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)、狭義の著作権(複製権・上演権・公衆送信権etc)、著作隣接権など、数多くの権利の集合体で、大変複雑な構造となっています。

著作権や侵害の有無に関する判断は、たとえていうなら、武士同士が相対した場合に似ているかもしれません。
実際に刀を抜いて斬りあえば(つまり、訴訟を提起すれば)どちらが強いか(つまり、著作権や侵害の有無が)ハッキリするのですが、それでは少なくとも一方はダメージを受けることになります。
一方、抜かずとも、相手の構えや所作を見れば(つまり、対象となる著作物を取り巻く人々の常識に照らせば)、強弱が(つまり、著作権や侵害の有無が)わかるという場合も少なくありませんし、その段階でお互いに決着をつけることで、ダメージを受けず、円滑に物事を進めていくことができます。

これに対して、著作権以外の4つの権利(これらは知的財産権の中でも、特に「産業財産権」と呼ばれます)は、特許庁への登録によって生ずる「登録主義」のため、権利の有無ははっきりしています。
これは、土地の場合と良く似ており、売買・実施/使用契約などの財産的な活用や、資産計上、これを担保にした融資など、様々な活用の可能性が見えてくることになります。
つまり、デザインと知財権をバインドすれば、「デザインの財産化」をより客観的・明確な形で進めることができるというわけです。

ここで、デザインの制作タイムラインと知財化の流れについて、大まかに確認してみます。

  1. 1.企画~デザイン制作の段階:知的財産権は発生していません
  2. 2.デザインの完成:著作権が発生、「意匠登録を受ける権利」「特許を受ける権利」「実用新案登録を受ける権利」が発生
  3. 3.産業財産権の出願:「商標登録出願により生じた権利」が発生
  4. 4.産業財産権の設定登録:意匠権・特許権・実用新案権・商標権が発生

産業財産権については、4の登録が行われて初めて権利行使可能となりますが、実はデザイン完成(商標は出願)段階で「○○を受ける権利」というものが生じています。
※尚、知財権では、上記の通り、ひとつのデザインに対して異なる種類の権利が同時に発生しうる点に注目してください

この段階で、デザインと「○○を受ける権利」をバインドして、売買・ライセンス契約などの財産的活用を図ることが可能になります。
ただし、特許庁の審査により、登録要件を満たさないとして「拒絶」された場合には、これらの権利は消滅することになります。

それでは権利化の具体的な流れはどうなるのか、お客様(依頼主)との関係はどうなるのか、といった点については、次回以降見ていきます。【と】

デジタルサイネージの展示会 - 2月9日(月)

先週終わってしまいましたが、東京 池袋で開催されたPAGE2009でもデジタルサイネージに関する展示コーナーが設けられていました。
今回、特に目新しい展示物はありませんでしたが、今年はこれ以外にも複数のデジタルサイネージ関連展示会が予定されており、注目度の高さがうかがえます。

今回の展示に限ったことではありませんが、全体の傾向としていえることは、ディスプレイメーカーなどの出展が多く、ハードウェアとバンドルしてサービス展開するケースが、未だ大半を占めることでしょう。
PCや携帯などの歴史と同様、仕様(特にソフトウェア)の互換性確保・標準化が行われ、オープンな環境が整うようになれば、制作サイドの盛り上がりも期待できるように思えます。

標準化というにはまだ漠然としすぎているところもありますが、デジタルサイネージコンソーシアムによるガイドラインなども出てきており、今後に期待したいところです。【と】

よるの小川 - 2月7日(土)

はるの小川ならぬよるの小川@釜川です。

釜川

川に沿って、あるいは一本入った路地に、大人の隠れ家がひっそり佇んでいます。【と】

Helvetica - 2月6日(金)

公共サインの分野で使用される書体としては、Helvetica(ヘルベチカ/ヘルヴェティカ)が圧倒的に支持されています。
各社・各団体のサイン規程で指定されているのが最大の理由ですが、バランスと安定感に優れたその字形により、世界中で使われてきた実績があるからでしょう。

筆者も好きな書体ではありますが、日本語のローマ字つづりは字数が多くなりがちであるため、公共サインでは幅広のHelveticaがベストとはいえないケースもあると思います(もちろんCondensedを使う方法はありますが)。
それに、何事であれひとつのものが寡占状態になるのは気に食わん(笑)・・・という「反抗心」から、Helvetica以外の書体も積極的に使っています。
とはいえ、筆者が扱う仕事では、結局一番多く登場する書体です。

さて、そんなHelveticaについての展覧会が大阪東京で開催されています。
※昨年東京・ラフォーレ原宿で行われた展覧会とは内容が異なるようです。

東京の展覧会は、ボリューム的には少し寂しい感があったものの、さまざまなHelvaticaグッズが置いてありましたし、欧文書体のバイブル「欧文書体」「欧文書体2」も積まれていました。近くに立ち寄られた方はのぞいてみてはいかがでしょうか。【と】

動的なファサード - 2月5日(木)

大型看板のレベルを超えて、ファサードを丸ごとデジタルサイネージで覆うような事例が見られるようになってきました。
よく知られているところでは、銀座のシャネルがその代表例でしょう。

こうなると「サイネージ」というよりも「ダイナミック・ファサード」とでも呼ぶ方がふさわしくなってくる気がします。
このような事例を見ていて、10年近く前に流行った「ヴァーチャル・アーキテクチャー」「サイバー・アーキテクチャー」といった言葉を思い出しました。はっきりした定義はなかったように思いますが、こういうアプローチもひとつの解かもしれません。

それにしても、LEDにしろプロジェクションにしろ、発光する壁面は目に突き刺さるのがネックです。
反射型液晶のようなものをうまく活用することも必要になってくるかもしれません。【と】

電気機関車EF66 - 2月4日(水)

EF66は、そのロボットチックな造形から、とりわけ男児・男性に人気のある車両ではないかと思います。もちろん筆者にとっても一番のお気に入り車両です。
造形の特徴となっているもののひとつが「縦目」・フロントグリル・逆三角形のナンバープレート周りからなる顔つきでしょう。

鉄道博物館では、お目当ての列車を好きな場所から好きなだけ寄って見ることができますが、EF66も展示車両リストの中にあります。
先日、近づいて観察してみたところ、新鮮な発見がありました。それは、フロントグリルに機能上の意味がない(おそらく)ことでした。

EF66のフロントグリル
フロントグリルに開口部はなし

写真の通り、山型断面のバーを4本貼り付けて、フロントグリル的な造形にしているだけで、開口部は全く設けられていませんでした。
しかし、もしもこれがなかったら、EF66の顔はかなり平板なものになったはずで、機能だけにとらわれず、あえてこの造形をプラスした判断はすばらしいと思います。

ともすると、ミニマルな造形や、機能的に意味のある造形という考え方に縛られてしまいがちですが、このように「足す勇気」と、その必然性をお客様に説明する気概も必要だなぁ、と改めて感じさせられました。【と】

デザインに関する知財権 - 2月3日(火)

知的財産権は専門性が高く、わかりにくい分野です。
法律家が実名で書いているようなブログなどを除き、ネット上では正確な知識を見つけにくい(特にQ&Aサイトなどでは間違った解説がよく見られますので、利用には注意が必要です)ことも、敷居を高くしている気がします。

デザインを保護する知的財産権としてもっともポピュラーなのは著作権でしょう。
登録など一切の手続きが不要の「無方式主義」であるため、著作権法に定める「著作物」に該当するものを創作すれば、原則として著作権が自然発生するからです。
※ちなみに「著作権登録」という制度があります。民間団体の行なっているものはもちろん無意味ですが、文化庁の登録制度も著作権の有無とは無関係です(つまり、登録されていても著作権の発生していないものもある、ということです)。

一方、著作権に関する争いが生じた場合、最終的には裁判所の判断を仰ぐ必要があり、中小企業や個人デザイナーが権利行使するには、負担が重いという問題があります。

デザインを保護するためには、意匠権・特許権・実用新案権・商標権を取得するという方法もあります。
著作権と異なり、特許庁による審査を経て(実用新案権は形式面の審査のみ)権利が付与されるため、コストがかかる反面、権利行使は楽になります。
「独占排他権」という強力なパワーが法的に与えられている上、登録状況は特許庁により公開されており、誰でもデータベースから検索・閲覧できるからです。

さて、その中でもデザインに最も近い意匠権について、特許庁からわかりやすい説明ビデオが公開されました。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_ishou/syoukai_video.htm
全部で30分弱と長いので「基本編」の2番目~3番目を見ておけばよいでしょう。
あの川崎和男氏も出演しています。

ビデオの中では、主として製造業のデザインが取り上げられていますが、デザイナー、特にデジタル系のデザイナーにとっては、何が意匠権の保護対象になるのか興味のあるところだと思います。
ビデオ中では携帯電話のアイコンについて触れられていますが、残念ながら、多くの場合デジタル系デザインは保護対象になりません。
保護対象になるのは、DVDやゲームなどの操作画面やATMタッチパネルなど、組込系機器でキーやメニューの代わりになるもの(機能を発揮させるもの)に限られるといっていいでしょう。
組込系でも、DVD再生中の表示内容やゲームの実行中画面など(既に機能を発揮している状態のもの)は保護対象にならず、Windows用アプリケーションなど、PC上で使われるソフトも保護対象になりません。もちろんウェブサイトも対象外です。
※意匠法で保護できなくとも、特許法などで保護できる場合はあります。ニコニコ動画のコメント機能についての特許出願などはその一例です。

長くなりましたので、デザインに関する知的財産権の取得方法や、どんな活用方法があるのかについては、また次の機会に考えてみたいと思います。【と】

デジタルサイネージ - 2月2日(月)

昨年頃から国内でも「デジタルサイネージ」という言葉が聞かれるようになりました。
広義にはLCDやLEDなど大型のディスプレイを利用したサインや広告を指すようです。
弊社も交通系や車両系の電子表示デザインに携わっていることから、デジタルサイネージ業界の一端を担っているといってもいいのかもしれません。

街頭の大型ビジョンから商店のLEDポップまで、かなり広い分野のものが「デジタルサイネージ」という言葉で括られるようですが、比較的安価で面白い技術として、リアプロジェクションフィルムを用いたデジタルサイネージに注目しています。

動画は3Mの製品紹介ビデオですが、ショーウインドウなどに透明or半透明のフィルムを貼り、後ろ側からプロジェクターで映像を映すというものです。
実際に見られる機会はまだまだ少ないのですが、なかなか鮮明に映り、面白い技術です。
さらに、センサーをスクリーンの周囲に貼り付けることで、ガラスをタッチパネルにできるDST(Dispersive Signal Technology)という技術も出てきています。
タッチにより発生する振動波をセンサーで検知し、振動波の広がり方を計算してタッチした場所を割り出すようです。
プロジェクターを使うだけに、ある程度のスペースが必要だったり、ランプの寿命がわずか数千時間だったり、消費電力が大きかったりと、解決すべき課題は多いのですが、価格面でも実用域に入ってきていますし、今年はこのタイプのデジタルサイネージを見る機会が増えるかもしれません。

もっとも、デジタルサイネージが増えれば、配信される動画の派手さがエスカレートし、街中のショーウィンドウがパチンコ屋の看板のようになる危険性もはらんでいます。
デジタルサイネージの普及活動と合わせて、制作寄りの事業者がガイドラインなり何らかのスタンダードを提案することも必要になってくるのではないかと思っています。【と】

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